こんにちは。

早速ですが、結論から。大規模修繕工事の瑕疵(かし)保険は、工事のあとに欠陥が見つかったときの直す費用を補う保険です。守られるのは工事をした部分で、期間は基本5年(手すり等は2年)。加入するのは施工会社ですが、着工後には入れないので、管理組合が契約前に頼んでおくことが大切です。

ここでは国土交通省と住宅瑕疵担保責任保険協会の資料をもとに、管理組合の理事さんから出そうな疑問に順番に答えていきます。

Q1 瑕疵保険はどんな保険?

答えは、「検査」と「保証」がセットになった保険です。

国土交通省は、大規模修繕工事瑕疵保険を「共同住宅の大規模修繕工事の請負契約に関する保険」と説明しています(国土交通省「大規模修繕工事瑕疵保険」)。

・検査: 保険法人の検査員(建築士などの資格者)が現場で工事内容を検査します。検査に合格しないと加入できません
・保証: 保険期間中に工事の瑕疵が見つかったら、施工会社が直す費用などに保険金が支払われます

加入するのは管理組合ではなく施工会社です。それも、保険法人にあらかじめ登録した施工会社だけが使えます(住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険全般に関するご質問」)。

Q2 加入は義務?

大規模修繕工事では、加入は義務ではありません。協会の Q&A でも、施工会社が任意で加入するものとされています。

ただし、国土交通省の登録住宅リフォーム事業者団体では、構成員が一定の金額以上の大規模修繕工事を請け負う場合は、原則として加入することとされています。

Q3 どこが守られるの?

対象は、工事を実施した部分に原因がある瑕疵です。協会の Q&A では、原則として次の6つが挙げられています。

①構造耐力上主要な部分
②雨水の浸入を防止する部分
③給排水管路・給排水設備
④電気設備
⑤ガス設備
⑥手すり等の鉄部

協会の説明にある例でいうと、雨水の浸入を防ぐ部分の瑕疵による雨漏り、設置工事の瑕疵による給排水管の水漏れ、防錆工事の瑕疵による手すりのぐらつき、といったものです(住宅瑕疵担保責任保険協会「大規模修繕工事のかし保険」)。

対象部分は保険商品によって異なり、特約で広げられる場合もあります。

一方で、地震や台風などの自然災害、シロアリ被害、建物の劣化は支払いの対象になりません。保険期間が始まったあとに別の改修工事をした部分も対象外です。

Q4 保険期間は何年?いつから?

保険期間は、基本は5年間、手すり等は2年間です。始まるのは、工事が完了した引渡日(工事完了確認日)からです。

特約で10年間に延長できる工事もあります。国土交通省の整理では、保険期間は「1~10年(対象部分等によって異なる)」となっています。

Q5 いくら支払われるの?

支払いの対象は、修補費用・調査費用・仮住まいや転居の費用などです。

国土交通省のページによると、条件の目安はこうです。

・保険金額: 1,000万円~5億円(請負金額等によって異なる)
・免責金額: 10万円(保険金が出ない自己負担の部分)
・填補率(てんぽりつ): 支払われる割合。施工会社へは80%、施工会社が倒産等したときの管理組合へは100%

ひとつ注意があります。不具合を見つけて先に勝手に直してしまうと、保険金が支払われない場合があります。まず施工会社に連絡し、施工会社から保険法人へ報告してもらう流れです。

Q6 施工会社が倒産したら?

その場合でも、保険の対象になる不具合なら、管理組合が保険法人に直接請求できます。管理組合から保険法人に通知して保険金を請求する形だ、と協会は説明しています。

このときの填補率は、Q5 のとおり100%です。工事のあとに施工会社がなくなっても、保険期間中なら守りが残るわけです。

Q7 契約の前後に管理組合は何をすればいい?

まず押さえたいのは、着工前に申し込んで検査に合格する必要があり、着工後は加入できないことです。申込みは施工会社が行い、管理組合が直接申し込むことはできません。

そこで協会は、管理組合が確かめることを時期ごとに4つ挙げています(住宅瑕疵担保責任保険協会「大規模修繕工事かし保険」)。

①工事契約の前: 施工会社に保険の加入をお願いする
②工事契約の前: 保険の内容(支払いの対象や限度額)を確認する
③工事契約のとき: 保険証を確認する
④工事が終わったあと: 保険の内容を書いた書面を受け取る

なお、保険証券そのものは、引渡日が決まってから施工会社が発行を申請します。検査に合格していても自動では届きません。

保険料と検査料を払うのは加入する施工会社です。誰が費用を負担するかは、管理組合と施工会社で打ち合わせるよう協会は案内しています。見積を比べるときは、保険料がどこに入っているかも聞いておくと安心です。

施工会社が保険法人に登録しているかは、協会の登録事業者等の検索で調べられます。

余談ですが、国土交通大臣が指定した保険法人は5社あります。主な内容は共通していますが異なる部分もあり、保険料は各社が決めています。同じ「瑕疵保険」でも、保険証の中身は一度読んでおきたいですね!

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前回の工事の保険証はどこにありますか?

瑕疵保険は、工事をした部分の欠陥を基本5年(手すり等は2年)守る保険で、保険期間中に対象の不具合があれば、施工会社が倒産していても管理組合が直接請求できます。入れるのは着工前だけなので、施工会社を選ぶ段階で加入をお願いし、内容を確かめておきましょう。

ところで、前回の大規模修繕工事の保険証や保険の内容を書いた書面、理事会の書類の中にありますか? 保険期間が終わるまでは、理事が交代しても分かる場所に置いておきたい書類です(^^;)

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