大規模修繕工事とは
株式会社アスト

大規模修繕工事とは?

大規模修繕工事とは、管理組合が主体となり、マンションなどの建物の経年劣化や住人、環境の変化に合わせて実施する計画的な修繕工事のことです。建物の劣化だけではなく、設備の老朽化による不具合を防ぐ対策や時代に合わせた機能の導入なども行う場合があります。

管理組合で集められている修繕積立金を元に修繕計画を立て、大規模な長期の修繕工事を行うものを大規模修繕工事と呼びます。主に外壁補修、屋上防水、鉄部塗装、給水・排水管の取り替えなどの工事を行います。

修繕工事と改修工事の違い

修繕工事

修繕工事とは、建物の経年劣化や設備の老朽化による不具合を修理したり、取り替えたりする工事をさします。応急処置的な工事ではなく、建物が建てられた頃の状態に戻すことを目標に劣化を修繕する工事です。

改修工事

改修工事とは、環境の変化や技術の進歩によって、元のマンションの機能・性能が古くなった部分をグレードアップさせる工事となります。居住水準を上げることで、資産としての価値を向上する目的に行われる工事です。

大規模修繕工事で行われる主な工事

大規模修繕工事で行われる主な工事や調査・作業をご紹介致します。

足場組立工事

足場

下から順に足場を設置し、足場の倒壊を防ぐため建物と足場を繋ぐ「壁繋ぎ」を設置します。足場が組みあがると、工事で発生した塵・埃・塗料等が近隣の住宅へ飛散する事を防ぐためにメッシュシートで建物全体を覆います。

ゴンドラ

建物の形状や立地条件等によっては、下から組み上げる足場ではなく、上から吊るす足場(ゴンドラ)を設置します。 高層ビルの清掃や工事でよく見かけるゴンドラですが、マンションの改修工事にも幅広く使用されています。

調査・マーキング

打診調査・マーキング

目視調査では、外壁の細かいひび割れやモルタルの浮き等を確認し、打診音によってコンクリート内部の劣化を見つけだします。 この段階で発見した劣化箇所は、劣化内容に応じた目印(マーキング)を残します。一見落書きのようにも見えますが、一つ一つに大切な意味があります。

図面作成

建物の専門家による調査・マーキングを終えると、建物のカルテ(劣化図面)を作成いたします。 劣化図面を作成する事で、外見では見えない建物内部の劣化箇所が一目でわかるようになります。 劣化図面は、CADを使用したものや、ZONDEシムテム(※クラウド型アプリケーション)を使用して作成します。

躯体補修

タイル部

タイルのひび割れや浮きは、躯体のコンクリートが冷熱・乾湿などを繰り返す事により、 コンクリートと貼付けモルタル及び貼付けモルタルとタイルにひずみが生じひび割れ若しくは剥離(浮き)に至る。
補修例浮き(アンカーピンニング工法)
タイルの目地に直径5mm・深さ30mm程の小さな穴をあける
穴に接着効果のある樹脂を注入し、アンカーピンを挿入してタイルの剥落を防ぐ。

クラック

クラックは、乾燥収縮による表面上のクラックやコンクリートの冷熱・乾湿によるひずみによって生じるクラック等があります。クラックの幅に応じた補修を行います。
補修例クラック幅0.5mm以上(Uカットシーリング工法)
電動工具を使いクラックに沿って、幅10mm・深さ10~15mm程度のU字型の溝を設ける。
溝にプライマーを塗布し、シーリング材を充填する。

モルタル浮き

コンクリートの躯体の上に施工されたモルタルが躯体のひび割れ等の動きによって剥離(浮き)が生じる事。
補修例浮き(アンカーピンニング工法)
躯体に直径5mm・深さ30mm程の小さな穴をあける。
穴に接着効果のある樹脂を注入し、アンカーピンを挿入してモルタルの剥落を防ぐ。

コンクリートの爆裂・欠損

(爆裂)コンクリート内部の鉄筋の腐食膨張によって、かぶりコンクリートを押出し、剥落させる事で鉄筋が露出している状況の事。 (欠損)コンクリート内部の鉄筋の腐食・凍害等の原因によって生じる。
補修例爆裂・欠損(エポキシ樹脂モルタル充填工法)
欠損部周辺の脆弱部(コンクリートが弱くなっている部分)を除去及び錆びた鉄筋は錆びを除去する。
プライマーや錆止めを塗布し、樹脂モルタルを押え込みながら充填する。

シーリング

外壁目地

外壁のコンクリートの継ぎ目は、雨水が侵入しやすい部分です。この部分にシーリング材を補填し雨水の侵入を防ぐことによって建物を劣化から守ります。

建具廻り

躯体の開口部である建具廻りもまた雨水が侵入しやすい部分です。また室内への雨風を防ぎ快適な暮らしを守ります。

その他

シーリング材は換気の為のガラリ廻りや手摺の根元等、建物の細部に至るまで水の侵入から守っています。

洗浄

高圧水洗浄

12~15Mpa程の高い水圧で、外壁・床・天井等ありとあらゆる場所を洗浄し、既存のしつこい汚れを除去し塗装材や防水材を塗布する工程に移ります。

薬品洗浄

タイルに染み付いた汚れや古い塗膜等を専用の薬液で根こそぎ洗います。

美装

外壁・廊下・外構等美しく蘇ったのに、工事で発生した塵や埃がサッシや手摺等に残ったままでは台無し!なんて事の無い様、 丁寧に清掃をしてから皆様に引渡しをさせていただきます。

塗装

外壁塗装

雨風から暮らしを守ってくれる外壁は、たくさんの塵や埃で汚れてしまったり、塗膜が浮いてしまったりしています。 浮いてしまった塗膜を丁寧に除去し、きれいに洗浄した後は下地剤を塗布して新たな塗装を施します。外壁がきれいに塗装された建物は見違えるほど若返ります!

鉄部塗装

鉄部の錆びは建物の美観を損ねるだけではなく、鉄本来の強度を低下させるため、丁寧に錆びを落とし、錆止めを塗布。 さらに仕上げの塗装を施し美観と強度を復活させます。

防水

屋上防水

屋上の劣化状態、用途や予算に合わせて、防水の施工方法は様々。
補修例ウレタン塗膜防水(床・立上り)
洗浄できれいに汚れを落とし、プライマー(下地)を塗布。
防水材を2回塗布し、仕上げのトップコートを塗布。

バルコニー・廊下・階段

劣化した防滑シート、ひび割れした床、滑りやすい階段は防水性能だけではなく美観を損ね生活性を低下させます。
補修例廊下床の防滑シート張替え
既存の防滑シートと接着剤をすべて剥ぎ取る。
新たに接着剤を塗布し、防滑シートを貼る。端部にシーリング材を充填。

金物

施工前
施工中
施工後
時間と共に成熟する建物、皆様の暮らしに寄り添うために、安心をプラス。
補修例バルコニー手摺取替え
既存の手摺を撤去し、手摺の基礎部分を補修。新たな手摺を新設。

外構

施工前
施工中
施工後
建物廻りの駐車場や擁壁もリフレッシュ!生活環境をより良くする為に、新たな価値をプラス。
補修例スロープ新設
エントランスの土間タイル・階段の一部・花壇を解体及び撤去。手摺の基礎を新設、床のコンクリート打設。
ステンレスの手摺を新設し、 床・階段・手摺の基礎にタイルを貼る