「窓は自分の部屋のものだから、古くなったら好きなサッシに替えればいい」。そう思っていませんか?
国のひな形では、そうなっていません。標準管理規約(ひな形)では、窓枠と窓ガラスは専有部分に含まれず、共用部分として扱います(国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」第7条・第22条関係)。実際の扱いは各マンションの規約によります。
もう一つ。サッシの交換は、毎回の大規模修繕工事で行うものではありません。国の資料では、取替えの目安は34~38年程度、3回目の大規模修繕工事前後です(国土交通省「マンション改修マニュアル」)。
この記事では、サッシにまつわる5つの疑問に、国の資料をもとに答えます。
Q1 サッシは誰のもの?
答えは、ひな形では共用部分です。
標準管理規約(ひな形)の第7条は、窓枠と窓ガラスを専有部分に含めないと定めます。コメントでは、窓枠・窓ガラス・玄関扉(錠と内側の塗装部分を除く)をまとめて「開口部」と呼び、共用部分として扱います。
同じひな形の第22条では、防犯・防音・断熱などの性能を上げる開口部の改良工事は、管理組合がその責任と負担で計画修繕として行う、としています。実際の扱いは各マンションの規約によります。
部屋の中から毎日開け閉めしていても、替えるのは原則として管理組合。ひな形はそういう整理です。
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Q2 大規模修繕工事でサッシに何をする?
答えは、1回目と2回目はサッシ全体は替えず、クリーニングや部品の取替えにとどめるケースが見られます。
国の資料によると、修繕・改良の目安は次のような流れです(国土交通省「マンション改修マニュアル」)。
- 1回目の大規模修繕:アルミ面の汚れ落とし、磨き・クリーニング
- 2回目の大規模修繕:すり減った付属金物(戸車・クレセント・ビードなど)の取替え
- 3回目以降:サッシ全体の取替え
周辺環境や建物の条件の影響もあるので、劣化の状況を調べて計画する必要がある、とされています。
また、マニュアルの計画修繕の工事項目には、サッシまわりのシーリング材の打替えも挙がっています。サッシ本体の交換とは別の工事です。
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Q3 サッシの交換はいつ?
答えは、目安で34~38年程度です。
国の長期修繕計画作成ガイドラインでは、窓サッシなどの修繕周期の例を「点検・調整 12~15年、取替 34~38年」としています(国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」)。
マニュアルも、サッシは34~38年程度で3回目の大規模修繕工事前後に取り替え、付属金物は20~30年程度で2回目のときに不具合があれば補修や取替えをする、としています。築30年を超えると、開け閉めのしにくさや、断熱性・遮音性の不足が目立ってくるそうです。
気をつけたいのは長期修繕計画です。ガイドラインは、計画期間を30年にしていても、サッシの取替えは周期が計画期間を上回り、計画に入っていないことがあると注意しています。見直しのときは、サッシの取替えの行があるかを確かめておきたいところです。
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Q4 どんな工法で替える?
答えは、今の枠を残して新しい枠をかぶせるカバー工法が一般的です。
冬に窓ぎわがひんやりする、そんなお部屋もあるかもしれません。替えるとなると、工法選びです。マニュアルには、取替え工法として「障子のみの交換」「かぶせ工法」「全撤去・新設工法」が挙がっていて、かぶせ工法(カバー工法)が一般的と書かれています(同マニュアル)。おもな工法は次のとおりです。
- カバー工法:今の枠の内側に新しい枠をかぶせる。間口は一回り小さくなる
- 持出し工法:今の枠の外側に新しい枠を付ける。間口が狭くなり、内法の高さが低くなる
- 全撤去・新設工法:今のサッシを撤去して同じ位置に新設する。間口を狭めずに替えられるが、コストは相対的に高い
- 二重サッシ工法:今のサッシの外側か内側に、もう1つサッシを付ける
住みながら工事をする場合は、騒音・振動・粉じんや内外装の補修の負担を考えると、カバー工法が居住者の負担を減らすのに有効とされています。
ガラスもセットで考えます。複層ガラス、Low-Eガラス、真空ガラス、合わせガラスなどがあり、断熱・遮音・防犯のどれを重視するかを管理組合で検討して選びます。
ちなみに、サッシを替えても結露が完全になくなるわけではないそうです。こまめな換気など、湿度の調整は引き続き必要です(^^;)
Q5 自分の部屋だけ先に替えられる?
答えは、ひな形では防犯・防音・断熱などの性能を上げる工事で、管理組合がすぐに実施できない場合に限り、理事長の承認を受ければ可能です。
ひな形の第22条第2項では、こうした性能を上げる工事を管理組合が速やかに実施できない場合、区分所有者があらかじめ理事長に申請して書面による承認を受ければ、自分の責任と負担で工事ができるとされています(国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」)。承認するかどうかは理事会の決議で判断し、細かい工事内容や守ることは細則で定める形です。実際の扱いは各マンションの規約と細則によります。
ひな形の別添2では、今と違う部材を使う窓の工事を、理事会の承認が要る工事の例に挙げています。確認するのは、色・形・位置や、防犯性・防音性が下がらないか。
部屋の内側に付ける内窓(内付け二重サッシ)は、内側のサッシが専有部分の工事になるので、各戸で発注し費用も各戸負担となるのが一般的とされています。
ただしマニュアルには、各戸がばらばらにサッシを替えると外観の統一感がなくなるため、管理組合が主体となって全戸一斉に替えるのが望ましい、と書かれています。全戸一斉の交換工事は、ひな形のコメントでは、総会の普通決議で実施できるという考え方です。
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長期修繕計画にサッシの取替えの年はありますか?
サッシはひな形では共用部分で、替えるのは原則として管理組合です。交換の目安は34~38年程度で、1回目と2回目の大規模修繕工事ではクリーニングや部品の取替えにとどめるケースが見られます。
ガイドラインは、大規模修繕工事の機会に窓の断熱改修などを行うことは、光熱費の負担を下げる面からも有意義としています。
お住まいのマンションの長期修繕計画に、サッシの取替えの年は書かれていますか?
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